同一労働同一賃金の対策をするにあたって、経営者の多くは「非正規労働者の待遇を一律上げなければならないのか…」と嘆いているようです。
ですが、待遇を上げなくても良いケースがあることについてはご存知でしょうか。
ここでは、同一労働同一賃金によって待遇を上げなくても良いケースについてご紹介していきます。
同一労働同一賃金で待遇を上げなくても良い場合とは
同一労働同一賃金で待遇を上げなくても良い場合といえば、それはその待遇差が『適切なものである場合』です。
具体的にどういうことかといえば、業務の実態に違いがあり、その待遇差が合理的であった場合です。
同一労働同一賃金とは、同一の労働をしているのであれば、正規社員や非正規労働者を問わず同一の賃金を支給するべきというような考え方です。
つまり、同一の労働をしていない労働者に対してまでも、同一の賃金を支払う必要はないものといえます。
厚生労働省のガイドラインなどを見てみた場合でも、そのような文言が確認できます。
同一の貢献度であれば同程度のものを支払う必要があり、違いがあるのならそれに応じた給与や昇給というようなことが書かれています。
そこから、合理的であれば待遇差については認められていることがわかります。
合理的でなければ意味がない点に注意
ただ、待遇差というのは、あくまでも合理的でなければなりません。
非正規労働者がたとえば、正社員と同様に営業をしたり、案件を抱えていたりしたとします。
そうなれば業務の質的には同じだと見ることができるでしょう。
正社員とその非正規労働者の貢献度が同じであり、同一の労働量であると判断できれば、給与や昇給など、待遇差をつけることはできないことになります。
現実として正社員と同等の質と量の業務をこなしているので、「非正規労働者なので継続的に貢献できないと判断したため」というような曖昧な理由では不合理な格差と判断されるでしょう。